2018年10月23日

県外視察 愛知県(名古屋市、一宮市)1

こんにちはびっくり
かなり・・かなり更新が滞ってしまいました。
反省・・うわーん


さて、今回は先日行った
県外視察の様子をご紹介します。

視察の目的は3つ
1、施設整備の工期・予算短縮の事例や工夫
2、施設整備の空間工夫
3、公設の運営に関わる事例や工夫

10月10日 沖縄より県の担当課職員を含めた3名で愛知県入りしました。
1日目は愛知県学童保育連絡協議会へ。今回の視察を計画するにあたり、愛知県内の児童クラブの現状など事前に情報を頂きました。
対応していただいた中島勝さん、ありがとうございました。

2日目は愛知県名古屋市内にある放課後児童クラブを3か所訪問させていただきました。
名古屋市内の放課後児童健全育成事業は220ヶ所。その内約50ヶ所において、小学校内でトワイライトスクール(無料※保険関係別途有:全児童対象)やトワイライトルーム(有料:選択利用)事業を実施しており、名古屋市はそこに力を入れているという印象です。
民設民営の児童クラブも多く、約170ヶ所。
今回は、「子どもにやさしい学童保育ー学童保育の施設を考える(2018年1月13日㈱高文研発行)」で紹介されていた民設民営の児童クラブの空間工夫について視察を行いました。3日目に訪問する名城大学の谷田研究所の谷田真准教授と井澤幸住宅設計室の井澤さんが設計や建築の視点で深く関わっています。

1ヵ所目は高見学童保育所
高見学童(外観)

名古屋市で独自に実施している「留守家庭児童専用室制度」により設置されたプレハブを、設計や建築の専門家の視点で空間や動線が意図的にデザインされていました。もちろん、現場の支援員の意見や子ども達の生活も考えられています。
特に、注目したのはスリット壁

スリット壁


動線を意図的にデザインする事で、室内に入ってからの視線の流れや、児童クラブの生活の流れをスムーズにしていました。子どもにとっては、緩やかに視線を遮る事で心を落ち着かせられたり、もたれかかったりできます。支援員としては、完全な壁では無いので子どもの気配を確認できますし、スリット壁は必要に応じて棚を作ったり、掲示に使用したりと自由にカスタマイズできます。
沖縄県内で整備が進んでいる公的な施設では、子どもの生活や成長・活動に合わせてカスタマイズするのが難しい事が課題となっているので、このスリット壁を公的な施設作りに上手く取り入れる事ができると良いのではと考えています。

その他、小上がり、くぼみ、棚の工夫、窓の位置、テラスなど、地域の状況や立地も踏まえた工夫がたくさんありました。

小上がり
小上がりの場所(畳間)、カスタマイズされたスリット壁
くぼみ
子どもに人気のアルコーブ。こもれるくぼんだ場所
棚の工夫
ベンチ式の棚。全部引き出す事もできます
窓の位置
外からの目線、こぼれる光、中からの視線が考えられた窓
テラス
室内と地域に繋がる外を緩やかにつないだテラス


高見学童保育所支援員の立嶋さん、設計室の井澤さん(一級建築士)ありがとうございました


2ヶ所目は庄内学童保育クラブ
庄内学童保育クラブ
こちらは空テナントを利用しています。
庄内学童保育クラブでは、支援員の佐藤さんと、私達が視察の参考にした本「子どもにやさしい学童保育ー学童保育の施設を考える」の執筆者でもある鈴木愛子さんが待っていてくれました。移転のご苦労も含め、どのように児童クラブを作りあげてきたのか貴重な話しを聞く事ができました。1ヶ所目の高見学童から井澤さんと名城大学の学生さんも同行してくれました。

この施設で特に注目したのは2支援の単位で実施している空間の区切り方
2支援の単位区切り1
奥は2支援の単位で区切られた空間。手前はキッチンスペース

2支援の単位区切り2

この施設でも動線が考えられており、支援の単位ごとの空間を取り囲むように廊下のような動線が確保され、スリット壁を応用した低い壁と広い感覚のスリットが空間をゆるやかに区切っていました。

廊下
壁の高さは、子どもの視点と大人の視点が考えられています
スリット壁応用

みんなが落ち着けるような場所と、こもる場所、活動的に動ける場所も意図的に配置されていました。
こもる場所

活動空間


もちろん、大きな倉庫も入口を入ったらすぐの場所につくられています。
倉庫

倉庫中


庄内学童保育クラブの皆様ありがとうございました

庄内にて
左から、神田、池田さん、鈴木さん、井澤さん


3ヶ所目は、いのう学童保育クラブ。
いのう学童は今回の施設整備のスタートのクラブで、庄内学童の移転分割の際に、いのう学童が誕生しています。
もともと2階建ての住宅兼テナントの物件を児童クラブ仕様に改装して利用していますが、設計から工事完了まで約2ヵ月という短期間だったとの事。保護者運営で物件探しから子ども達の受入れまでに相当のご苦労があったと思います。


こちらの学童では、支援員の大谷さんと、鈴木さん、井澤さん、名城大学の学生さんが同行してくれました。

いのう学童


フローリング廃材利用
廃材を利用したフローリング

スリット壁の原型
その後、スリット壁が生まれる原型でしょうか・・・

台所の壁
台所と子どものスペースの間の壁を打ち抜いて、空間を繋げていました


今回訪問したクラブの整備で大切にされていたのは、子ども達や保護者が一緒に関わっていくプロセスでした。本人たちが関わっていく、地域が関わっていけるように名城大学の谷田研究所が丁寧にDIYや数回のワークショップをとおしてデザインしていました。児童クラブに愛着をもって過ごして欲しい。そんな想いも込められているようです。


愛知県視察の様子は2回にわけて報告いたします。
次回は、一宮市(児童クラブ視察、担当課訪問)、名城大学谷田研究所について報告いたします。
次の投稿も見て頂けるとうれしいです。





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Posted by NPO法人 沖縄県学童・保育支援センター at 11:09│Comments(0)県外の公的施設活用クラブ民間施設活用クラブ活動紹介
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